成女学園で学んだ卒業生たちからのメッセージを紹介します。
「美大に進学した先輩」 |
稲田真里さん 2024年度卒(芸術ゼミ) 女子美術大学 芸術学部アート・デザイン表現学科 在学 |
2024年度卒業で女子美術大学に進学した稲田真里さんに、成女でのことや、いま大学で感じていることなどのお話をお聞きしました。
大学に入ってみると、みんな積極的な人ばかりで、入試の面接をくぐり抜けてきた来ただけあって、濃いエピソードを持ってるんですね。みんな明るいし、劇団に入ってましたとか、何かの選抜で選ばれた、委員会をやってましたなど、大体「こんなことをやってきました」というのを持ってるんです。部活も「ただやってました」ではなく、「部活で何々をしました」というのがあって。なので、私も成女でいろいろなことに取り組んできたおかげで、気後れすることがないので、今は良かったなと思っています。私は部活は美術部で、外部での活動もさせてもらいましたし、でもやっぱり一番は表現プログラムと自主研究ですね。好きなことや将来やりたいことがある人は、それをとことんやることができるので絶対お勧めです。
私は表現プログラムは高2・高3でデザインクラスを選択したのですが、これがとてもためになりました。実際にデザイナーとして働いている方からプロの目線で自分の作品にコメントをもらえるので、とてもありがたかったです。1年目は色使いなどの基本的なことをみっちり教えてもらったのですが、2年目は形や配置やフォントなど、私の作品の世界観を突っ込んでもらえて、それが嬉しかったですね。
そう言えば、表現プログラムは1年生のときはボイスかトークのどちらかになるんですけど、今思えばそれも良かったです。高1だと、まだみんなと仲良くなれてないのにベラベラしゃべれないし・・・と思って避けがちかもしれないんですけど、先生も優しいし、苦手な子がいることをわかって教えてくれるし、プロの先生なので知らないことをたくさん教えてくれるので、すごく良かったです。
あと、情報の選択授業でフォトショップとイラストレーターの使い方を学んだのが、今とても役に立っていて助かっています。美術系の進路に進む人は絶対に受けた方がいいと思います!
それと、絵については学校のほかに画塾と美術予備校にも行っていたのですが、一番時間を長くとってもらったのは学校でした。画塾は年内入試より一般入試向けの対策が多いし、浪人する人も多いし、ペースがちょっと違うかなという感じでした。予備校は順位が出される場所っていう感じで、自分の立ち位置がわかるのは良かったです。でも一番は成女で美術の先生が付きっきりで見てくださったのが大きかったです。
後輩に伝えたいことですか・・・そうですね、自分のやりたいことが決まっていなくても、絶対勉強しておいた方がいいです! 私も最初は美大に行くって思っていなかったし、やりたいことを探し中だったので、高1の最初はそれほど成績も良くなかったんですけど、高1の後半に女子美に決めてから、やっと徐々に上げていくことができました。自分は画がすごく上手いわけではないので、勉強できなかったら落ちるなって思って。(笑)
進路を決めることができたのは、中学3年間があっという間だったから、高校3年間もきっとあっという間だろうなって気がついたところからですね。フワーって行きたくないなと思って、しっかり考えました。それまでは趣味と仕事を結びつけようとは考えてなかったんですけど、好きなことじゃないと仕事も続かないだろうなって思って、自分が好きなことも出来ることも美術だったので、それでですね。
将来のことで高校時代から考えていることは、食品とアートをつなげるお仕事をしたいなということです。お菓子や冷凍食品などのパッケージデザインもありますし、ごはん屋さんのチラシや広告もありますし、食べ物の絵は観ていてワクワクするんです。大学にも絵が上手い人はいっぱいいるので、自分が何に特化して描くのかを決めて、「〇〇がすごく上手い人になろう」って思ったんですよね。
あ、あと興味があることが中心でいいんですけど、学校では興味がないことにも触れる機会があって、それが意外と楽しくって。食品とアートじゃないですけど、そうやってつなげられたら絶対いいと思うんですよね。美術部の中でも、イラストが描きたかった、油絵はやりたくない、クロッキーは難しそう、デッサンはやったことないとか、いろんな意見があったんですけど、みんなでやってみれば楽しいですし。
実は高校受験のときに女子美の附属校も少し考えてたんですね。でも、高校生のうちに先が美術しかなくなってしまって、方向転換できなくなるのはリスクかなと思ったし、逆にそれができるのが成女だなと思いました。だから、今は美大に行けて良かったと思っていますけど、それ以外の道もきっとあったんだろうなーなんて思っています。