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成女学園中学校・成女高等学校のブログです。学園の日々の様子を、学校長および編集委員が中心になってお届けします。

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成女周辺の散歩道

更新日:2020年07月18日

0712仲里先生①

成女の周辺には坂が多い。靖国通り富久町交差点の高台に成女はあり、富久町交番横の坂を上って生徒達は登校しています。生徒の皆さんは、この坂に名前がついているのを知っているでしょうか。

この坂には自證院坂(じしょういんざか)という名がついています。 
成女より少し上がったところに自證院という寺があります。今は公道ですが、昔は自證院の寺社地の中にあった坂道で、そこから坂の名がついたのです。自證院は今はこじんまりとした寺ですが、由緒があり、徳川3代将軍家光の側室「自證院」の御霊を供養するために建立されました。
またこの坂には、別名「蜘蛛(くも)切坂(きりさか)」という名もついています。その昔、自證院の境内周辺には鬱蒼とした森が広がっており、夜な夜な悪さをする妖怪がでたそうで、武士の渡辺綱がこの妖怪を待ち伏せし退治したところ、ここに住み着いていた土蜘蛛であったことに因み命名との俗説もあります。私達が毎日通っている坂道に、こんなお話があるんですね。
他にもこの周辺には、禿坂(かむろさか)(おかっぱの髪)、暗闇坂、念仏坂と名前がついている坂が沢山あります。
蜘蛛(くも)切坂(きりさか)とおなじように、これらの坂にもおもしろい話があるかもしれません。


郷土の歴史に興味のある人は、次の自主研修の対象にしても面白いかもしれませんね。

〔編集委員〕




小泉八雲 「怪談」⑤

更新日:2020年07月12日


八雲が日本で接した原話は妻セツの口から語られたもので、セツ自らの言葉で語ってもらうことを望み、怪談好きの八雲は薄暗いランプの光の中で息を殺して聞き入っていたらしいです。今の成女学園の地で妻の語りで怪談話に耳を傾けていた八雲は、外国人の目から見る日本と、いつしか日本人より日本人らしくなった視線を持っていたのかもしれません。怪談は海外にも紹介され、多くの人々に愛されました。それはたぶん恐ろしいお話の中に、戒めが隠されているからだろうと思います。ただ怖がらせるだけのお話では文学とは呼べない所以です。
怪談・・・成女学園にも実は学校の怪談があるのかも?蔦の生い茂った一番古い4号館は大正15年に建てられ、戦時中は学校の一部を事業所の工場として使用し、生徒も事業に従事させられたといいます。内部は空襲で焼けたものの、一部外壁は当時のままだとか・・・きっとそんな戦時中にまつわる怪談が・・・。と思いきや。何にもないのです(*^▽^*)ちょっと物足りない寂しいような気もしますが、八雲の怪談で我慢してください。
戦後すぐに作られた木造のレトロな階段はありますが、なんかなんか大正ロマンを感じさせる階段です。
お後がよろしいようで。

〔編集委員〕



梅雨は明けませんが…

更新日:2020年07月11日

0628仲里先生②

ツタに覆われた校舎、そして中庭にはいろいろな植物が植えられている。新宿の真ん中にあるとは思えない。今この季節、私たちの眼を楽しませてくれている緑と花達。生徒も教職員も癒されています。

〔編集委員〕



小泉八雲 「怪談」④

更新日:2020年07月05日


さあ、八雲の「雪女」、あらすじも最後です。

⑪だが、ここで寝ている子供達のことを思えば、どうしてお前を殺すことができようか。この上は、せめて子供達を立派に育てておくれ。この先、お前が子供達を悲しませるようなことがあれば、その時こそ私はお前を殺しに来るから……」
⑫そう言い終えると、お雪の体はみるみる溶けて白い霧になり、煙出しから消えていった。それきり、お雪の姿を見た者は無かった。(終)


いかがですか?これが小泉八雲版「雪女」のお話です。地域によっては伝承が違っているかもしれませんが、命と引き換えに交わした約束の重要性はまさしく後悔先に立たずですね。まあ人を殺めておいて取り交わされた、ある意味脅迫めいた約束に、はたして正当性があるのかは別として、妖怪なる異種のものに命を救われ、「雪女」なのに雪解けを感じる情を交わして、ほんの思い出話のつもりが取り返しのつかない状況へとなってしまう約束の重さが、恐怖よりもこの怪談からは伝わってきます。八雲は再話物語を通して、怖いお話ではなく、霊や妖怪といった異種のお話から、道徳観を伝えたかったような気がするとともに、日本の文化・風土・精神に強い興味を抱いていたことがわかります。(続く)

〔編集委員〕


『うめむすび』第一弾!

更新日:2020年06月29日

0629城之下先生②

毎月1回発行の学園広報誌「うめむすび」。
今年度は新任の教員を中心に編集委員となり、学校行事や生徒会の様子を皆さまにお届けします。7月1日発行の第一弾は、校長先生にご寄稿いただいた豪華版。裏面の新任の先生方のコメントからも魅力が紙面ににじみ出ています。
学校説明会等でもお配りしていますので、受験生の皆さんもぜひご覧ください。

〔編集委員〕




小泉八雲 「怪談」③

更新日:2020年06月28日


「雪女」のあらすじ。前回の続きです。

⑦それから数年後、若者はお雪と名乗る雪のように白くほっそりとした美女と出逢う。二人は恋に落ちて結婚し、二人の間には子供が十人も生まれた。(なんと子たくさん!)
⑧しかし、不思議なことに、お雪は十人の子供の母親になっても全く老いる様子がなく若者と初めて出逢った時と同じように若く美しいままであった。
⑨ある夜、子供達を寝かしつけたお雪に、若者が言った。「こうしてお前を見ていると、十八歳の頃にあった不思議な出来事を思い出す。あの日、お前にそっくりな美しい女に出逢ったのだ。恐ろしい出来事だったが、あれは夢だったのか、それとも雪女だったのか……」
⑩若者がそう言うと、お雪は突然立ち上り、叫んだ。「お前が見た雪女はこの私だ。あの時のことを誰かに言ったら殺すと、私はお前に言った。

 10年以上連れ添った奥さんの豹変!へたしたら冷凍人間に。旦那さんのピンチです。
(続く!)

〔編集委員〕




表現プログラム、もうすぐスタート!

更新日:2020年06月22日


今年新たに始まる表現プログラムも、いよいよ今月中の開講に向けて動き出しました。表現力を豊かにする事は、人生を豊かにします。コースは多様な表現力を身につけて欲しい事から、トークのほかにダンス、コーラス、フォトの4種。外部から素敵な先生方をお招きし、初心者向けに楽しくレッスンして頂く予定です。ご期待ください!

〔編集委員〕



小泉八雲 「怪談」②

更新日:2020年06月21日


「雪女」このムシムシした暑さの中でちょっと季節外れな感がありますが、八雲の「怪談」の中に収録されているポピュラーなお話。
「雪女」の怪奇譚にも色ありますが、八雲の「雪女」は大体こんなあらすじです。

①武蔵の国(今の東京)のある村に、老いたキコリと若い見習いのキコリがいた。
※なんと雪深い土地ではなく都内(今の青梅市辺り)のお話です。
② ある冬の日のこと、吹雪の中帰れなくなった二人は、近くの小屋で寒さをしのいで寝ることにする。
③ その夜、顔に吹き付ける雪に若いキコリが目を覚ますと、恐ろしい目をした白ずくめ、長い黒髪の美女がいた。 (幽霊は美女!定番ですね)
④ 隣に寝ていた老いたキコリに女が白い息を吹きかけると、凍って死んでしまう。
(雪女。容赦なくいきなり殺人事件です!)
⑤ 女は若いキコリにも息を吹きかけようと覆いかぶさるが、しばらく見つめた後、笑みを浮かべてこう囁く。
⑥ 「お前もあの老人のように殺してやろうと思ったが、お前はまだ若く美しいから、助けてやることにした。だが、お前は今夜のことを誰にも言ってはいけない。誰かに言ったら命はないと思え」そう言い残すと、女は戸も閉めず、吹雪の中に去っていった。


なんとも一方的な言い分!しかし若いキコリの命は助かりました。若くて美しいと男性も得ですね( 一一) (次回に続く!)

〔編集委員〕



梅雨の合間の青空が美しい世田谷千歳学習寮

更新日:2020年06月20日

0529重松先生②

世田谷区千歳烏山には今、梅雨の合間の青空が美しい成女・千歳学習寮があります。
テニスコートや弓道場を併設しており、主に長期休暇のときに利用しています。いまはこの状況のため利用できていませんが、成女ではひと味違う教育活動を行うこともできます。

〔編集委員〕



小泉八雲 「怪談」①

更新日:2020年06月14日


小泉八雲が現在の成女学園の敷地に居を構えた5年余り、彼の代表作「怪談」が出版されたのが明治36年4月。その1年前まで居住しており、終焉の地である現在の大久保に移住しているので、「怪談」の草稿をはじめ、大半の執筆がされていたのだろうという想像が離れない。八雲は妻セツから原話を聞いて文章化する再話物語をひとつの手法として、「怪談」を完成させ外国人にも日本の怪異譚を紹介したが、日本人でも忘れている機微を伝え表現できたことに今更ながら驚きを覚える。ペンネームの八雲を「古事記」から引用したのもビックリだけど…。

「怪談」は17編の物話と3編のエッセイからなり、多くの日本人になじみの多い話である。耳なし芳一・雪女・むじな・ろくろ首など一度は耳にしたお話の中で、梅雨入り夏本番!ムシムシした中で背筋がヒンヤリとする怪談話を、成女学園ゆかりの八雲作品から紹介したいと思います(*^▽^*)

〔編集委員〕



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